安倍晋三元首相銃撃事件で殺人罪などに問われた山上徹也被告(45)の裁判員裁判第7回公判が13日、奈良地裁で開かれた。被告の母親が弁護側証人として出廷し「次男の徹也が事件を起こしてしまい、本当に申し訳ない。国民の皆さまにもおわびします」と尋問で謝罪した。
公判は教団の影響や「宗教的虐待」などが焦点で、弁護側による情状面の立証が本格的に始まった。裁判員の判断にどう影響するか注目される。
尋問冒頭で、母親は世界平和統一家庭連合(旧統一教会)を信仰していると述べた。
弁護側は初公判の冒頭陳述で、母親が旧統一教会に1億円を献金し「(被告は)自身や家族の人生が翻弄され、教団への復讐心を強めた」と主張。教団幹部を襲撃できず、教団に親和的な政治家を狙ったと説明した。
13日の公判では、尋問に先立ち安倍氏の妻昭恵さんの上申書が提出され、検察官が「長生きしてもらいたかった」などと内容を読み上げた。
昭恵さんは上申書で「一周忌法要で『なぜここにいないのか』と涙があふれ止めることができなかった」と、夫を失った悲しみに言及した。
