千葉県横芝光町で50代女性が町道を自転車で走行中に脇の水路に転落してけがをしたとして、町と水路を管理する「千葉県大利根土地改良区」に計約8千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は17日、事故防止を怠ったと認め、土地改良区に約5400万円の支払いを命じた。町への請求は棄却した。
判決によると、女性は2020年12月24日の日没後、片側1車線の町道を自転車で帰宅途中に道路脇の深さ約1・5メートル、幅約2メートルの水路に転落。ほぼ水流はなく、女性は頸髄損傷で四肢にまひが残った。現場の水路には一部しか柵が設けられていなかった。
衣斐瑞穂裁判長は、現場の周囲には公共施設が多数あり、不特定多数の人の往来が想定されたと指摘。歩行者や自転車が接近する車両を避けようと移動して水路に転落することは容易に想像できたとし、土地改良区が水路の安全性確保の措置を怠ったと判断した。
一方、町には柵を設置する権限がなかったと認定。
土地改良区は「判決文が届いていないのでコメントできない」とした。
