安倍晋三元首相銃撃事件で殺人罪などに問われた山上徹也被告(45)の裁判員裁判第9回公判が19日、奈良地裁で開かれ、被告の妹の証人尋問が行われた。被告らの母親は世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に1億円を献金し、家庭が困窮。妹は母親を「母の皮を被った信者が母のふりをしていると思った」と涙声で表現し、「私たちは統一教会に家庭を破壊された」と証言した。
妹は弁護側証人として18日に続き出廷した。弁護人から、事件や一番上の兄の自殺について「他の方法を取れなかったのか」と問われ、相談先を探したが脱会支援の窓口しか見つからなかったと説明。「宗教2世」として救済を受けるのは困難だったとして「合法的な方法ではどうしようもなかった」と述べた。
母親が連絡してくるのは「金の無心をする時だけだった」と述べ、被告との思い出を質問されると、自分が家に帰りたくない時に一晩中捜してくれたと振り返り「私にとって大好きなお兄ちゃんでした」とも語った。
