大分市佐賀関は全国的なブランドである「関サバ」「関アジ」の水揚げ地として有名だ。18日の大規模火災は、最盛期を迎えていた漁にも影響を及ぼしている。漁師の自宅や漁具が焼けたほか、インフラの不調や交通規制で出荷が滞り始めた。
「漁に戻ってきてほしいが…」。大分県漁協佐賀関支店の佐藤京介支店長(53)は気をもんだ。延焼地域には漁師約30人の家や、漁具を生産する工場があり、保管していた針やさおの多くが焼けたとみられる。港に停泊した船までは延焼せず、20日から漁が徐々に再開したものの「どのくらい取れるか数日たたないと分からない」という。
同支店の漁師が一本釣りした魚のみに呼称が許される関サバと関アジ。ピーク時は千人以上いた漁師は約400人まで減ったという。平均年齢は70歳を超え、毎年約20~30人が引退しており、今回の火災被害で拍車をかけることも懸念される。
佐賀関で水産業を営む姫野透さん(62)によると、電話回線や水道の不調で、注文への対応や、魚を保冷するための製氷作業にも支障が出ているという。
