高市早苗首相は21日午後、G20サミットに出席するため、南アフリカに向けて政府専用機で羽田空港を出発した。参加国首脳らとも個別に会談する。台湾有事が存立危機事態になり得るとの首相の国会答弁に中国は反発し、会議に出席する李強首相と高市首相の会談の可能性を否定している。両氏が会議の合間などに非公式な形で接触し対話を図れるかどうかが注目点だ。
中国外務省の毛寧報道局長は21日の記者会見で「戦略的互恵関係の発展を本心から望むなら、誤った発言を撤回しなければならない」として首相答弁の撤回を重ねて求めた。日中共同声明など四つの文書を厳守し「中国との約束を守るという姿勢を実際の行動で示すべきだ」と訴えた。
首相は「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、新興・途上国との連携強化を図る構え。インドのモディ首相との会談を23日に開く方向。
出発に先立ち、官邸で記者団に「法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持、強化に向け、全てのメンバーが責任を共有して課題解決を進めるよう呼びかけたい」と意欲を示した。
