【台北共同】台湾の頼清徳政権が、中国との対立が深まる日本への支持を明確にしている。貿易や観光にまたがる「複合的な攻撃」を中国が日本に仕掛けたと非難。訪日旅行や「爆買い」で日本を支援するよう市民に呼びかけた。ただ対中融和姿勢の野党は、高市早苗首相が「台湾有事」をあおったと批判している。
頼総統は17日「中国の日本に対する複合的な攻撃が地域の平和に打撃を与えている」と表明。中国が日本産水産物の輸入手続きを停止したと伝わった後の20日には、すしを食べる画像を公開し日本を支持した。台湾政府は21日、日本産食品の輸入規制を撤廃した。
駐日大使に当たる李逸洋・台北駐日経済文化代表処代表も「日本の農水産品を爆買いしよう」と訴えた。中国が日本への渡航自粛を打ち出したことを受け、与党、民主進歩党の立法委員(国会議員)らも記者会見で訪日旅行を呼びかけた。
台湾統一を目指す中国に対抗して日本や米国との関係を強めるのが頼政権の基本姿勢。市民からは「高市氏に感謝する」という声も聞かれる。
