佐賀県警科学捜査研究所(科捜研)の元職員によるDNA型鑑定不正で、警察庁は27日、県警に対する特別監察の中間報告を公表した。県警が不正を認定した鑑定130件について、現時点で捜査・公判への影響は確認されていないとした。問題ないとした元職員による鑑定513件に関しても、外部有識者の意見を踏まえて精査し、再発防止策をまとめる。
特別監察は警察の規律保持のため必要があると判断された場合に行われる。警察庁は10月8日から、同庁付属機関の科学警察研究所のDNA型鑑定担当者を含む28人態勢で、元職員の鑑定について確認を進めている。
同庁によると、130件のうち、行方不明者の身元確認などを除いた捜査目的の鑑定は101件。容疑者ではない人を捜査対象としたり、検察庁に送致したりするといったケースはなかったとした。
県警は9月、科捜研の40代男性技術職員が2017年から7年超にわたり、実施していない鑑定を行ったように装う報告や書類の日付改ざんなどを繰り返していたと公表した。
