俳優の菅田将暉主演、黒沢清監督の映画『Cloud クラウド』（9月27日公開）が、「第81回べネチア国際映画祭」（イタリア）でのワールドプレミアにつづき、「第49回トロント国際映画祭」（カナダ）への正式出品も決まり、北米プレミアの場となることが発表された。ノベライズ本の発売も決定した。
【動画】映画『Cloud クラウド』本予告
本作は “誰もが標的になりうる”日常と隣り合わせの恐怖を描いたサスペンス・スリラー。転売で稼ぐ主人公・吉井良介を菅田、吉井の謎多き恋人・秋子役を古川琴音、吉井に雇われたバイト青年・佐野役を奥平大兼、ネットカフェで生活する男・三宅役を岡山天音、吉井が働く工場の社長・滝本役を荒川良々、そして吉井を転売業に誘う先輩・村岡役を窪田正孝が演じている。
日本時間6日午後11時頃、「第49回トロント国際映画祭」（現地時間9月5日～15日）のラインナップが発表され、『Cloud クラウド』はセンターピース部門への正式出品が決定。「トロント国際映画祭」は、カナダ最大の都市・トロントで開催される北米最大規模の来場者数を誇る映画祭で、”オスカーレースの前哨戦”として世界中からの注目を集める。
黒沢監督作品としては、1998年に『CURE』（97年）が初めて同映画祭に選出され、翌99年に「Spotlight: Kiyoshi Kurosawa」として特集上映が行われて以来、『回路』（2001年）、『トウキョウソナタ』（08年）、『贖罪』（12年）、『岸辺の旅』（15年）など、作品を発表するたびに招待されている。
今回、本作が上映されるセンターピース部門は、22年までは「Contemporary World Cinema部門」という名称で、国際映画祭で高い評価を受けた作品や、才能あふれる監督のプレミア作品、世界に影響力のある巨匠の最新作などを紹介する部門となっている。
トロント国際映画祭プログラマーのジョバンナ・フルヴィ（Giovanna Fulvi）氏は、「『Cloud』を招待することができ、大変うれしいです。本部門は、トロント国際映画祭の核といえる部門で、世界中から高く評価されている作品や、日本を代表する映画監督である黒沢清監督のように、世界へ影響力のある方の最新作をお披露目しています。『Cloud』の魅力的な物語は現代的な恐怖と共鳴しており、いかにして些細な恨みが制御不能な暴力にエスカレートしていくかを描いています。主演・菅田将暉さんの説得力ある演技によって、この映画は一種の教訓的な話でありながら、ネット上の悪意に実生活を脅かされる恐怖が存在している、現代のメディア環境の“カオス”を、スリル満点に体験できる作品に仕上がっています。黒沢清監督の最高傑作！」と激賞コメントを寄せた。
また、宝島社から本作のノベライズが9月4日に発売されることも決定。小説家として活躍し、これまでに『怪物』、『アルキメデスの大戦』、『そして父になる』などのノベライズも手がけてきたライターの佐野晶氏によって、黒沢監督が創り上げた映画『Cloud クラウド』の世界が、豊かにつづられている。
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