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“リストラする側”の苦悩をリアルに描く、韓国社会派ドラマ『ただ、やるべきことを』来年1月公開決定

2025/10/14 22:29

  • 映画
韓国映画『ただ、やるべきことを』2026年1月17日より全国順次公開 (C)Nareun Cinema / Myung Films Lab.

 「第28回釜山国際映画祭」(2023年)で“今年の俳優賞”および韓国映画監督組合プラスM賞を受賞し、ソウル独立映画祭「釜山独立映画祭」でも主要賞を席巻した話題作『ただ、やるべきことを』(英題:Work to Do)の日本公開が決定した。2026年1月17日よりユーロスペースほか全国で順次公開される。あわせて、リストラを実行する主人公の苦悩と決意を切り取ったメインビジュアルも解禁され、同デザインを使用したチラシも順次劇場に設置される予定だ。

【画像】韓国映画『ただ、やるべきことを』チラシ(裏面)

 本作は、リストラで従業員を解雇しなければならない人事チームの社員たちを通して、組織の一員として「やるべきこと」、ひとりの人間として「やるべきこと」の狭間で揺れる人々を描く社会派ヒューマンドラマ。

 舞台は、韓国で朴槿恵(パク・クネ)大統領の退陣を求める大規模な「ろうそくデモ」が起きた2016年。当時、造船業は世界的不況に直面し、多くの企業がリストラと廃業を余儀なくされていた。

 漢陽重工業入社4年目の社員ジュニは、人事チームに異動後すぐにリストラ対象者の名簿作成を命じられる。会社を立て直すためと自分に言い聞かせながら業務を遂行するジュニだったが、やがて“親しい先輩と友人のどちらかを解雇しなければならない”という残酷な選択に追い詰められていく――。

 本作は『JSA』『建築学概論』などの制作会社ミョンフィルム(イ・ウン代表)が未来の韓国映画をリードする映画人育成を目的として設立した、ミョンフィルムラボ6期のパク・ホンジュン監督長編デビュー作品。造船会社の人事で働いた経験をもとに、職業上の義務と個人的感情の間で板挟みになる労働者の葛藤と組織の非情さをリアリティ豊かに描き出した。

 主人公ジュニを演じたのは、ドラマ『秘密の森』『新兵』などで注目を集めたチャン・ソンボム。釜山国際映画祭で“今年の俳優賞”に輝いた彼のリアリティーを極限まで高めた演技が称賛された。

 これまで多くの映画が“解雇される側”の闘いを描いてきたのに対し、本作は“リストラを実行する側”の視点から、人と組織、理想と現実の間で引き裂かれる人間の姿を見つめる。理想と現実の間でもがきながら生きる、“わたしたちの物語”となっている。

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