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『2025 新語・流行語大賞』ノミネート語30発表 国際・国内の社会情勢を色濃く反映した言葉が並ぶ【ノミネート語30 説明も掲載】

2025/11/05 15:04

  • エンタメ総合
高市早苗総裁(2015年撮影)&ミャクミャク(C)ORICON-NewS-inc

 『現代用語の基礎知識』(自由国民社発行)は5日、毎年恒例の『現代用語の基礎知識 選「2025 T&D保険グループ新語・流行語大賞」』のノミネート語30を発表した。2025年度は、米トランプ大統領の再登場をはじめ、物価高や異常気象、政治の動きなど、国際・国内の社会情勢を色濃く反映した言葉が並んでいる。

【表】“今年の顔”がずらり!『2025 新語・流行語大賞』ノミネート語30

 2025年度の傾向としては「前半は新語・流行語が少なかったと言えるが、トランプ大統領の再登場で関税関連、その後、米、物価高、異常気象、首相首班指名等で数多くの言葉が生まれた」。

 「それらの言葉は来年にもつながるものだろう(例えば、クマ被害、気象、高市首相関連等)。また、ピンポイントで盛り上がった言葉(ミャクミャク、国宝、古古古米等)に勢いがあった」。

 「本年度はスポーツ関連の言葉が少ない珍しい年でもある。分断が叫ばれる昨今、政治のエンタメ化も進み、ネットとオールドメディアの岐路ともいえる年ではないだろうか」と分析している。

■発表されたノミネート語30は以下の通り(50音順)。

「エッホエッホ」
「オールドメディア」
「おてつたび」
「オンカジ」
「企業風土」
「教皇選挙」
「緊急銃猟(クマ被害)」
「国宝(観た)」
「古古古米」
「7月5日」
「戦後80年(昭和100年)」
「卒業証書19・2秒」
「チャッピー」
「チョコミントよりもあ・な・た」
「トランプ関税」
「長袖をください」
「二季」
「ぬい活」
「働いて働いて働いて働いて働いてまいります/女性首相」
「ビジュイイじゃん」
「ひょうろく」
「物価高」
「フリーランス保護法」
「平成女児」
「ほいたらね」
「麻辣湯」
「ミャクミャク」
「薬膳」
「ラブブ」
「リカバリーウェア」

■発表されたノミネート語30の説明

「エッホエッホ」
「メンフクロウのヒナが草むらを懸命に走る姿」の写真が、海外のネットで話題になり日本ではその姿に「エッホエッホ」という擬音を添えて紹介された。シンガー・ソングライターが「エッホエッホのうた」を公開したり、エッホエッホ構文が定着、SNSでのショート動画投稿などで拡散していった。若者のあいだでは、急いで何かをしなければならない様子をあらわす際にも使われた。自然・野生動物専門の写真家ハニー・ヘーレが撮影してネット投稿した写真。

「オールドメディア」
新聞・テレビといった歴史のあるメディアを「オールドメディア」と位置づけ、不要なもの、偏ったものとみなす風潮がある。TikTokや切り抜き動画など短時間で見られ一瞬で理解できるようなSNS戦略ばかりがもてはやされるが、オールド批判をしながら熱狂を作り出すネットの世界に流されるばかりでなく見分ける力をつける必要がある。

「おてつたび」
お手伝い(短期アルバイト)と旅をかけあわせた造語。人手不足に悩み働き手を求める地方の宿泊施設や農家と旅先で働きたい人をつなぐサービス。

「オンカジ」
オンラインカジノの略称。国内から海外のオンカジサイトを利用して金銭を賭けることは賭博罪にあたるが、スポーツ選手や芸能人などの利用が相次いで明らかとなった。海外のカジノサイト自体は合法のこともあり、罪の意識を感じにくい。気軽に始められることもありリスクを感じさせにくい仕組みにも問題がある。ギャンブルですらなく「仕組まれた依存症」だとNHKスペシャルで実態を明らかにしたドキュメンタリーも話題になった。

「企業風土」
企業のジェンダー配慮意識や職場の安全性に対する意識の低さが問題になった1年。組織としての危機管理能力や説明責任の欠如が露呈されたりもしたが、社内にまん延していたとされる声を上げづらい風土など、業界全体での構造改革と意識改革が必要だと感じさせた。立場の弱い人たちの人権が踏みにじられないようにする必要がある。

「教皇選挙」
第266代教皇フランシスコが亡くなり、次のローマ教皇を選出する教皇選挙(コンクラーベ)があった。投票の結果、アメリカ人のロバート・プレボスト枢機卿が選出され、新教皇レオ14世が誕生した。同時期に日本で公開されていた映画『教皇選挙』(エドワード・ベルガー監督)も話題となった。

「緊急銃猟/クマ被害」
改正鳥獣保護管理法の施行により9月1日に導入された、クマやイノシシが人の生活圏に出没した際、市町村長の判断で市街地での銃猟を可能とする制度。近年、クマなどの生活圏への出没が増加傾向にあり、人身被害者数も増加。地域住民の安全確保を迅速化する目的がある。

「国宝(観た)」

原作・吉田修一、監督・李相日(リ・サンイル)の映画『国宝』が幅広い年齢層で話題になった。上映時間は約3時間。「国宝観た?」が随所で飛び交うほど話題になった。任侠に生まれ歌舞伎役者として引き取られた喜久雄と、歌舞伎の名門に生まれた俊介が芸の道に生きる、伝統×任侠×青春の物語。小説を読んでから観るか、観てから読むか、も話題に。

「古古古米」
コメ価格の高騰が社会問題化した「令和の米騒動」。政府が備蓄米を放出、安価なコメを買い求める行列が各地で発生。備蓄米には古米、古古米、古古古米、古古古古米まで1年ごとに区分があり、この呼び名も注目された。味への不安や活用法なども話題になった。

「7月5日」
「7月5日午前4時18分に巨大津波が起こる」とする噂が拡散、海外にまで拡大し香港や台湾からの飛行機が減便・欠航する事態にまでなった。科学的な根拠はなく、気象庁や地震の専門家からは否定されたデマだが、発端となった書籍の話題も続いた。

「戦後80年/昭和100年」
2025年は戦後80年という節目の年であり、昭和100年という節目でもあった。さまざまな番組企画や関連書籍の刊行も相次いだ。

「卒業証書19・2秒」
学歴をめぐる問題で連日世間をにぎわせた静岡県伊東市の市長が、市議会に求められた卒業証書を19・2秒「チラ見せ」したと報道され、話題に。

「チャッピー」
アメリカの企業オープンAIが公開した、AI(人工知能)を使って自然な会話が行えるサービス「ChatGPT」の愛称。

「チョコミントよりもあ・な・た」
女子高生のアイドル活動を描くメディアミックスシリーズ「ラブライブ!」のラジオ番組から声優3人の期間限定ユニットAiScReam(アイスクリーム)が誕生。デビュー曲「愛◇スクリ~ム!」(◇=ハート)がTikTokで話題に。曲の途中に出てくるセリフ部分が注目された。

「トランプ関税」
アメリカ大統領選挙で勝利し再登場したトランプ大統領が各国に対しておこなっている一方的な関税引上げ政策。自国の要求のみを強く示し交渉を展開するというトランプ政権のスタイルに世界が振り回されている。

「長袖をください」

TBS系「水曜日のダウンタウン」のコーナー「名探偵津田」でお笑いコンビのダイアン・津田篤宏が発した言葉が話題に。

「二季」
酷暑が続いた日本列島。地球温暖化の影響で春夏秋冬という四季が、夏と冬の二季化している状況。

「ぬい活」
ぬいぐるみ活動のこと。好きな「ぬい(ぬいぐるみ)」と行動を共にするために、バッグに付けたり、外出先・旅先でぬいの写真を撮影したり(ぬい撮り)、ぬいの服を自作したりする。推し活文化とぬい撮りの文化が合流して、ここ数年で定着した。

「働いて働いて働いて働いて働いてまいります/女性首相」

自民党総裁選に選出された高市早苗新総裁が、決意を表明した際に述べた言葉。昨今の働き方改革でワークライフバランスも定着してきた今、「ワークライフバランスを捨てる」と表明したことには、賛否の声があがった。

「ビジュイイじゃん」

男性ボーカルダンスユニットM!LKの楽曲「イイじゃん」が話題に。TikTokでの動画投稿も話題をよび、セリフ部分の「今日ビジュイイじゃん」が流行語に。

「ひょうろく」

フリーのピン芸人。番組のドッキリ企画などでみせる「素なのか演技なのかわからない独特の表情」に魅力を感じる人がいるようだ。近年では、ドラマへの出演も多く、NHK大河ドラマ『べらぼう』やフジテレビ『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』などにも出演。

「物価高」
ここ数年続く、食料品や日用品の値上がりと、それ以外のモノやサービスについての値上がりが相次ぐ。世界情勢からエネルギーや原材料価格の上昇も続き、この状況がいつまで続くのか不安が絶えない。

「フリーランス保護法」
2024年11月に施行。個人で業務を請け負う性質上、不利な取引を求められることの多かったフリーランスの働き手を保護するもの。

「平成女児」
1990年代後半から2000年代初頭に小学生だった女子(現在20~30代)が当時のキッズ文化を懐古する流行。平成レトロの派生ともいえる。パステルカラーやリボン、ハートなどのモチーフへの再注目をいう。

「ほいたらね」

NHK連続テレビ小説『あんぱん』の舞台となった高知県の土佐弁で、またねの意味。朝の15分の物語のラスト、ナレーションで聞けることもあれば劇中のセリフとしても登場した。やさしい気持ちになる言いまわしで、思わず使いたくなる。ほかにも「たっすいが」「たまるか」など数々の言葉も印象的でドラマの世界を広げた。

「麻辣湯」

中国・四川省発祥の麻辣湯(マーラータン)はしびれる辛さと唐辛子の辛さをあわせもつスープ。具材や辛さなどを自分好みに調整(カスタマイズ)できるところも人気の秘訣か。24年の後半から認知度があがり、専門店が増加した。

「ミャクミャク」

大阪・関西万博の公式キャラクター。誕生当初は不気味、怖いなどと不人気だったのが一転、大ブレイクした。ぬいぐるみ、キーホルダーなど多彩な関連グッズが販売された。

「薬膳」
季節にあわせた旬の食材の組み合わせと、薬膳効果のある食材を取り入れることでできる、からだをととのえる身近な料理として流行しているのが薬膳。NHKのドラマ『しあわせは食べて寝て待て』の話題もあり、自分でもやってみたいと思う層が増えたことで身近なものとして定着。レシピ本が書店の棚をにぎわすさらなるブームが続く。

「ラブブ」

香港出身のデザイナー、カシン・ローンが生んだウサギ耳とギザギザの歯をもつキャラクターが話題に。K-POPアイドルBLACKPINKのリサが紹介したことで世界でブレイク。高校生たちがスクールバッグにぬいぐるみなどをじゃらじゃらとぶら下げる文化も再燃。

「リカバリーウェア」
繊維に練り込んだ鉱物の遠赤外線による血行改善や疲労回復をねらった衣服が話題。からだから放射される赤外線を吸収し再放射することで体表を効率良く保温し、皮膚の血流や血液酸素濃度を高める効果が期待される。効率良く睡眠や休息をとりたい現代人のニーズを満たす製品。

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