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【インタビュー】八木莉可子、映画『WIND BREAKER/ウィンドブレイカー』“ヒロイン”の強さと温かさを実写で表現」

2025/12/06 08:30

  • 映画
実写映画『WIND BREAKER/ウィンドブレイカー』出演の八木莉可子(撮影:松尾夏樹) (C)ORICON NewS inc.

 にいさとるの人気漫画を実写化した映画『WIND BREAKER/ウィンドブレイカー』で、主人公・桜遥たちが通う風鈴高校の近くにある東風商店街の喫茶店「喫茶ポトス」で働き、桜たちの日常を見守る橘ことはを演じた八木莉可子。原作への深い愛情を持ちながら、実写ならではのリアリティにも向き合い、彼女が見つけた“ことは像”とは――。美術に潜む仕掛け、座長・水上恒司への信頼、そして現代に響く「人と人が支え合う物語」への思いを語ってもらった。

【動画】BE:FIRST / Stay Strong - Lyric Video -(映画「WIND BREAKER」主題歌)

■ 原作への愛と、実写ならではの“生身の魅力”

――人気原作の実写化ということでプレッシャーもありましたか?

【八木】原作漫画とアニメは撮影前に拝見し、すごく面白くていちファンとして純粋に楽しんでいました。そのため、本読みやディスカッションで監督と話す中で、「原作へのリスペクトは大前提に、そのうえで“人が演じる”からこそ生まれる新しい魅力も大切にしよう」という方向性が固まりました。実写ならではのリアリティで、ことはの強さや温かさを表現できたらと思いました。

■ “街の声を代弁する”ことはというキャラクター

――今回、主要メンバーの中で唯一の女性キャラクター。ことはをどんな人物として演じましたか?

【八木】ことはは、従来の“ヒロイン像”とは少し違う印象を受けました。性別はあまり関係なく、商店街の一員として風鈴高校のメンバーとは異なる立ち位置と視点を持っている子。“街の人たちの声を代弁する存在”であることを意識して演じました。今の時代にもとても合ったキャラクターだと思いますし、ヒーローものとして見ても魅力的な立ち位置だと感じています。

■ 自分と似ている部分は?「さっぱりしてるけれど愛情深い」

――ことはと自身の性格が似ている部分はありますか?

【八木】似ているところはあると思います。さっぱりしているけれど、愛情深いところもある。その感覚はとても共感できました。

■ 街全体をつくり込んだ“本気の美術”に驚き

――実写版のセットや美術も印象的でした。

【八木】本当にすごかったです。美術チームの皆さんが撮影前から街をまるごと作り込んでくださって、映画版ならではの“街の息づかい”が感じられる空間でした。防風鈴のエリアには緑が多かったり、絵の中に亀が隠れていたり、遊び心がたくさん散りばめられているんです。「これ気づくかな?」とワクワクするような仕掛けばかりで、私自身も驚きの連続でした。

■ 現場は“学校の放課後”のような空気

――現場の雰囲気はいかがでしたか?

【八木】皆さん高校生役ということで、現場はまるで学校みたいでした。撮影の合間にみんなでおしゃべりしたり、一人で本を読んでいる人がいたり、すごく自然体。まさに“放課後”のような雰囲気で、とても居心地がよかったです。

■ 水上恒司の誠実さとユーモア「座長として心から尊敬」

――主人公・桜遥役の水上恒司さんとの共演は?

【八木】とても真っすぐで誠実な方だと思いました。「やりにくくないですか?」と常に気にかけてくださいますし、ことはが桜の腕をバンバン叩くシーンでは、それまでなんともなかったのに、「痛くなかったですか?」と聞いた途端、「痛い、痛い」と大げさに腕をさすって(笑)。ユーモアもあって、現場をしっかり引っ張ってくださる。クランクアップの日には「座長としての佇まいが本当に素敵でした」とお伝えしました。心から尊敬しています。本当にかっこよかったです。

■ “守るために戦う”世界観が胸に響いた

――作品のテーマでもある“守るために戦う”については?

【八木】「勝つために戦う」のではなく、「守るために戦う」という価値観が作品の大きな魅力だと感じています。街の人たちもただ守られているだけではなく、いざとなったら防風鈴のメンバーを守る。“一方的”ではなく、“お互いに支え合っている”。原作を読んだ時から、とても素敵だなと思った部分です。

■ 「人って意外と温かい」観る人に伝えたいメッセージ

――これから映画を観る人へ、メッセージをお願いします。

【八木】この作品には、“人と人とのつながり”の温かさがたくさん詰まっています。桜は何でも一人で抱え込んでしまうタイプですが、仲間たちは「もっと頼っていいんだよ」と寄り添ってくれる。SNSでつながれる時代だからこそ、逆に“誰かに頼る”ことが難しい人も多いと思うんです。「人って意外と温かいんだよ」と感じてもらえたらうれしいですね。風鈴高校のメンバーも、それぞれ過去を抱えながら誰かの愛を受け取って今がある。だから敵対する相手に手を差し伸べることだってできる。人の温度や優しさがしっかり伝わる作品になっていると思います。

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