伝統工芸継承へ向け、職人の想いを学生が受け継ぐ。

株式会社旅館古窯(本社:山形県上山市、代表取締役社長:佐藤 太一)が運営する日本の宿古窯(所在地:山形県上山市)は、地域の伝統工芸と文化の継承を目的とした「山形和傘プロジェクト」を始動し、山形大学花笠サークル「四面楚歌」にオリジナルの和傘を寄贈しました。本プロジェクトは、若者に和傘という伝統文化の奥深さと現状を深く知ってもらうこと、そして、その和傘を用いた演舞を通じて宿泊客へ広く認知を拡大することを目的としています。この取り組みが、ひいては後継者不足という地域の課題解決に貢献できるものと考えています。
●山形の文化を支える「和傘」の現状

山形県は古くから和傘の生産が盛んで、花笠まつりでも踊り傘が使用されるなど地域の文化に深く根ざしてきました。しかし、時代の変化とともにその需要は減少し、後継者不足が深刻な問題となっています。このままでは、山形の和傘文化が失われてしまう危機に直面しています。
山形の地域に根差し、商いを営んできた日本の宿古窯は、この現状を深く憂慮し、「山形の宝である伝統文化を未来へ繋ぐために、私たちに何ができるか」を考えました。地域社会への貢献を私たちの使命と捉え、今回のプロジェクトを企画しました。単に経済的な支援をするだけでなく、若者が実際に伝統工芸が生み出される現場と職人の方の想いに触れ、その価値を再認識する機会を創出することが、和傘の認知拡大と後継者問題の周知に繋がると考え、今回のプロジェクトを企画しました。
●プロジェクトの経緯:職人の現場と伝統の継承
本プロジェクトでは、山形大学の花笠サークル「四面楚歌」に、山形市の旧・古内和傘店で制作された踊り傘を寄贈しました。
【伝統の現場を見学】
寄贈に先立ち、2025年9月には、「四面楚歌」のメンバーが県内唯一の和傘工房「旧・古内和傘店」を見学しました。参加したのは、副会長の島津 諒大(しまづ りょうた・3年)さん、番傘長の吉崎 海月(よしざき みづき・3年)さんです。

和傘職人・横山純子さん

山形大学花笠サークル「四面楚歌」のお二人

踊り傘を作るうえでの難しさをお話しされる横山さん

和傘の土台となる骨組み
<学生コメント:旧・古内和傘店を見学して>
副会長/島津さん: 「工房に入るのは初めてでした。代々受け継がれてきた和傘を、今では旧・古内和傘店で横山さんと、お弟子さんの斉藤さんのお二人しか作っていないと伺い、その使命感と強い意志を肌で感じました。冷暖房のない部屋で、汗水流して作業されている姿がとても印象的で、私たちが使わせていただく和傘へのありがたみが、より一層深まりました。」
番傘長/吉崎さん: 「和傘の制作過程の繊細さと、職人さんの技術の結晶を感じました。この経験を通して、伝統工芸の奥深さと後継者問題の深刻さを実感しました。演舞を通じて和傘の魅力を発信し、認知拡大に貢献したいと思います。」
●花笠文化の担い手「四面楚歌」

2003年に創設された山形大学公認サークル「四面楚歌」は、全キャンパス合わせて約270名が在籍する大規模なサークル。活動の思いは「花笠文化の継承と発信」であり、山形大学入学式での演舞のほか、台湾やスペインでの「ジャパンウィーク」といった国際交流事業、2025年大阪万博「絆祭り」などの大舞台まで、幅広く演舞を披露しています。
「お披露目会」で和傘と花笠踊りが共演

本プロジェクトでは、山形大学の花笠サークル「四面楚歌」に、山形市で制作された踊り傘を寄贈しました。同サークルは、山形花笠まつりをはじめ、県内外の様々なイベントで活発に演舞を披露しており、地域の文化を伝える重要な役割を担っています。
寄贈された踊り傘は、同サークルの今後の演舞で実際に使用される予定です。また、その第一歩として、日本の宿古窯のロビーにて「お披露目会」を開催し、踊り傘を使った特別な花笠踊りを披露します。この機会を通じて、お客様にも山形の伝統文化の魅力を伝え、伝統工芸への関心を高めていただきたいと考えています。
開催日時: 2025年11月18日(火)20:30~約15分程
場所: 日本の宿古窯 1階ロビー
関係者のコメント

和傘職人/横山純子さん伝統工芸の継承が後継者不足で難しい中、古窯様と四面楚歌様が伝統文化の発信・継承という目的を持って活動し、ショーとして発信して下さる事を知り、作り手としてこれ以上ありがたい事はありません。今回のショーで、山形の花笠祭りをまだ見たことがないお客様にも私の作った踊り傘を知って頂く機会になれば嬉しい限りです。素晴らしい日本の伝統工芸を未来に残していくために、後継者の育成、和傘の魅力の発信をこれからも協力していただければと感謝の気持ちでいっぱいです。

日本の宿古窯 本プロジェクト企画者/中條茜伝統と歴史のある和傘は最盛期には100軒を超える製造元がありました。しかし、今では横山さんとお弟子さんのお二人が伝統技術を守り続けています。山形の企業として山形の伝統文化を後世に残していきたいと思い、和傘が置かれている現状を多くの方に知ってもらいたいと考えました。和傘を用いて四面楚歌さまにショーを行っていただくことで、多くの方々に和傘の魅力と和傘の現状を知っていただければと考えています。

日本の宿古窯 本プロジェクト責任者/寺尾美央本企画の目的は、山形の伝統工芸を守り、若い世代にも伝統工芸を認知してもらうことです。今回のプロジェクトを通じて、職人さんの技術と学生たちの熱意が融合し、新たな価値を生み出すことができました。和傘の認知拡大と地域課題の解決に貢献するため、今後も取り組みを継続してまいります。
今後の展望
今回の「山形和傘プロジェクト」は、「四方よし」の精神に基づき、職人、学生、地域、そして日本の宿古窯のお客様にとって価値あるものとなりました。日本の宿古窯は、今回の成功を糧に、今後も山形大学をはじめとする地域の学校や企業、団体と連携を深め、地域の伝統工芸や文化の維持・発展を支援し、若者による発信力を活かした認知拡大を通じて、山形の豊かな文化を未来に継承していくための活動を積極的に展開していきます。
日本の宿古窯
山形・かみのやま温泉 日本の宿古窯は、蔵王連峰が一望できる緑豊かな高台に佇む、125室の客室を持つ老舗旅館。日本古来の歳時記や山形の里山の季節感を大切に、心を込めたおもてなしでお客様をお迎えする。みちのく最上級の「旨い」が揃う古窯の料理は、山形の素材を知り尽くした料理人が仕立てるこだわりのお料理となっている。

施設名 : 日本の宿古窯
所在地 : 山形県上山市葉山5-20
公式サイト: https://www.koyoga.com/
古窯グループ
古窯グループは、山形県内4か所の旅館とグランピング施設に加え、山形県初のプリン専門店「山形プリン」を開業、2022年12月には東北初の日帰り温浴施設「おふろcafe yusa」と山形プリンの姉妹ブランドとなるフルーツアイスクリーム専門店「MOGY」をオープンするなど、山形のファンを作るための魅力作りや発信を積極的に行っている。その多角的な取り組みが認められ、「日本ツーリズム・オブ・ザ・イヤー」2023年のグランプリ(最優秀賞)を受賞。

古窯グループサイト
https://www.koyo-gr.com/
【会社概要】
商号:株式会社古窯ホールディングス
本社所在地:〒999-3292 山形県上山市葉山5-20
企業プレスリリース詳細へ
PR TIMESトップへ
