2025年10月1日
公益財団法人 日本漢字能力検定協会
公益財団法人 日本漢字能力検定協会(本部:京都市東山区/代表理事 理事長:山崎信夫/以下、当協会)は、今年一年の世相を“漢字一字”で表現し、京都・清水寺で発表する「今年の漢字」を2025年11月1日(土)より、全国から募集します。
1995年にスタートした「今年の漢字」は2025年で30周年を迎えます。1995年に第1位に選ばれた「震」から2024年の「金」まで30回の開催で、合計23字の漢字が選ばれてきました(※)。毎年、世の中で起きた出来事や流行、社会動向など、年末の締めくくりに“ゆく年”への思いを馳せる「今年の漢字」は、あまり知られていないかも知れませんが、全国の皆様からご応募いただいた漢字の中から、最も応募数の多かった漢字を、清水寺にて発表しています。
平成・令和の時代をまたぐ30年で、「今年の漢字」はどのような変遷をたどったのでしょうか。「今年の漢字」で応募数の多かった漢字トップ10は、時代によって異なる傾向がみられました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202509245788-O1-XrJ7ZNss】
※ 30回の中で、「金」が5回、「災」「戦」「税」が2回ずつ選ばれています。
平成(1995年~2018年)にトップ10に最もランクインした「乱」
1995年から2018年までの“平成”に開催された「今年の漢字」24回の中で、最多の16回にわたりトップ10の漢字にランクインしたのが「乱」という字です。政治経済、異常気象に「混乱」し、世の中の秩序や倫理観が「乱れ」、犯罪が多発し、「乱世の時代」だと感じる人も。このように「乱」という字は、ネガティブに捉えられることが多い一方で、ワールドカップでのサッカー日本代表の活躍に「狂喜乱舞」したというポジティブな意味合いでの応募もみられました。そんな「乱」ですが、16回もトップ10にランクインしているにもかかわらず、「今年の漢字」第1位に選ばれたことはありません。
また、平成の時代に他の漢字を圧倒した「乱」は、令和になってからは、トップ10にすら一度も登場していません。
平成に「今年の漢字」トップ10にランクインした漢字と回数(トップ3)
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202509245788-O2-KaCv6rDa】
令和(2019年~2024年)にトップ10に最もランクインしたのは「変」
平成にトップ10に最もランクインしたのは「乱」でしたが、令和(2019年~2024年)の6年間でトップ10に最もランクインしているのは「変」という字で、2015年から10回連続でトップ10にランクインし続けています。
2019年以降は、元号の「変化」、オリンピック時期の「変更」、台風や大雨による「天変地異」、猛暑などの「気候変動」を理由に、「変」という字に応募している人が多いことが分かりました。
令和に「今年の漢字」トップ10にランクインした漢字と回数(トップ3)
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202509245788-O3-bu5C4fi9】
1995年から2024年までの30年を振り返る
これまでの30年間で「今年の漢字」第1位に選ばれてきた漢字一字と選ばれた理由は、次の表のとおりです。
たとえば、1995年の「震」は、阪神・淡路大震災を想起する人もいれば、金融機関の崩壊などの出来事に震えたことを思い出す人、大リーグの野茂英雄投手の活躍を思い出す人もいるでしょう。同じ「震」という漢字でも、複数の意味があるのは漢字の魅力のひとつでもあります。
【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M103726/202509245788/_prw_OT1fl_qnhBnE7G.png】
「今年の漢字」30周年を記念し、「今年の漢字」大書レプリカを特別展示
当協会では、「今年の漢字」30周年を記念し、「今年の漢字」が選ばれた理由とゆかりのある地で「今年の漢字」大書レプリカの特別展示を開催しています。
1997年はサッカー日本代表が初めてワールドカップ出場を決めた年でした。そして今年、SAMURAI BLUE(日本代表)は8大会連続8度目のワールドカップへの出場権を獲得。
それを記念し、JFAサッカー文化創造拠点「blue-ing!」(東京都文京区)にて1997年の「今年の漢字」第1位の「倒」の大書レプリカを特別展示しています。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202509245788-O4-OJrl64AT】
2024年は、パリオリンピック・パラリンピックでの日本人選手の活躍や、政治家の裏金問題、物価上昇など、「金」が目立った年でした。 そのような中で「金」を応募された理由の中に、大谷翔平選手による史上初の50-50の達成、三度目のMVP獲得の快挙に、「値千金の活躍」「金メダル級の偉業」といった声が多く寄せられました。 このことから、大谷選手のふるさとである岩手県奥州市での大書の展示が実現しました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202509245788-O5-3f76Tq3U】
※2025年11月3日(月・祝)までは奥州市埋蔵文化財調査センターで、2025年11月10日(月)~2026年2月20日(金)は奥州市役所本庁で展示される予定です。
特別展示の期間やこれまで実施してきた特別展示については「今年の漢字」特設サイトをご覧ください。
URL: https://www.kanken.or.jp/kotoshinokanji/event/
10月21日より漢字ミュージアムにて「今年の漢字展」を開催
京都・祇園の漢検 漢字博物館・図書館(漢字ミュージアム)では、企画展「今年の漢字展」を開催します。
「今年の漢字」開催初年の1995年から2024年までの大書現物をすべて展示します。本物が持つ迫力と、一連の展示が表す日本の世相の移り変わりをお楽しみください。
● 開催期間:2025年10月21日(火)~2026年2月23日(月・祝)
● 開催場所:漢字ミュージアム2階 企画展示室(漢字ミュージアムの入館料が必要)
〒605-0074京都府京都市東山区祇園町南側551番地
● 2025年「今年の漢字」大書:2025年12月23日(火)展示開始予定
● Webサイト:https://www.kanjimuseum.kyoto/
※「今年の漢字」は当協会の登録商標です。