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「地域のお産の灯を絶やさない」 誕生から1年。「ファミール産院ありだ」と地域の今

2025/11/17 16:30

  • 積水ハウス株式会社
2025年11月17日
積水ハウス株式会社

積水ハウス株式会社は積水ハウスの様々な事業を紹介する「積水ハウス ストーリー」を公開しました。


ファミール産院ありだ誕生とその後の物語"が
「第19回キッズデザイン賞」でこども政策担当大臣賞を受賞

 

2024 年4月、有田市と近隣地域における分娩機能消滅という危機を、有田市、産院そして積水ハウスが共創し、官民一体となり乗り越え誕生した「ファミール産院ありだ」。その様子は以前、地域のお産を守りたい!新しい命をつなぐ「ファミール産院ありだ」としてストーリーでご紹介しましたが、この度、開院までとその後約1年半の取り組みが、「第19回キッズデザイン賞」でこども政策担当大臣賞を受賞しました。

 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202511179225-O5-31h88Xma

受賞式にて 右から医療法人財団マザー・キー 村越さん、積水ハウス 中屋、近畿大学アカデミックシアター 杉浦さん・大治さん、医療法人社団マザー・キー 杉本代表、近畿大学 稲田さん・亀野さん、有田市 玉木市長、医療法人社団マザー・キー 押野さん、積水ハウス 佐藤

 

 

キッズデザイン賞では、官民連携による開院までの取り組みと、有田市と隣接する3町自治体を含めた広域連携が進み、地域や大学も巻き込んだ共創のコレクティブインパクトにより、つながりを大切にした地域での子育ての実現が評価されました。

審査員からは「取り組みを通じ、開院後152名 が生まれ、産院では看護師、助産師など28名の雇用に貢献している点が素晴らしい。少子化問題に対し真摯な実践は、地域活性化につながる枠組みとして高く評価した。」とのコメントもいただいています。

 

実際に地元での出産を通じ、つながりや、ふるさとの大切さを実感する方も多いようで、「地元での出産は、安心感があった」という声や、二人目を出産したママからは、「地域の専門家のアドバイスのおかげで、夫の協力が一人目の時より大きかった」という声も。

現在、消滅可能性自治体は、全国で約40%といわれています。これは、20~39歳の女性が2050年までに半減する地域のこと。積水ハウスでは今回の受賞をきっかけに、有田での取り組みが注目を集め、今後、日本各地で同じような課題を抱える地域自治体への打ち手・解決策を示すきっかけになればと考えています。

 

 

建物をつくるその先へ。

人と人とのつながりを生む、『新しい居場所づくり』へ。

 

「有田のお産を守ろうと、最初は行政との二人三脚だったプロジェクトも、現在は共創する関係者が増え、広がりを見せています。」と語るのは、積水ハウス地方創生戦略部の佐藤です。

 

 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202511179225-O4-k7KVSeSs

積水ハウスの地方創生戦略部、佐藤は産院完成後の現在は、地域の自走力形成に尽力している

 

 

「プロジェクトを通じて有田市の看護師さんや保健師さん、助産師さんと、地域の子育てに関わる方々に話を伺う機会があり言われたことがあります。『産院が新しくでき、地元での出産環境が整うことは本当にうれしいことですが、子どもを産んだ後に、ママたちが心配事を相談しあえるような、横のつながりをつくっていく仕組みや場所が欲しい』と。その言葉をヒントに、ママや地域の方のための、新しい居場所ができないだろうかと考えました。いわゆる建物だけを作るのではなく、産院を核としたコミュニティの起点です。たとえば、子育てに関するワークショップは継続的な人間関係が生まれるきっかけになります。そこで出会った人たちがつながり、「次は何をしようか?」と、新しいことが動き出すのです。「ファミール産院ありだ」は、たまたま公民館が隣接していたことが功を奏し、人が集まれるベースがあり、そこに積水ハウスの全国に及ぶネットワークを活用し、参考になるような良い事例や手法、仕組みづくりの紹介とリソースを提供することを考えました。ワークショップの開催や、社内の有志と近畿大学の学生が主体となり「つながる育フェス」というイベントも実現しました。助産師さんと子育て世代や出産を控えたママをつなぎ、交流できる場です。」と佐藤。

「つながる育フェス」は第2弾も予定され、継続的な活動が期待されます。

 

 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202511179225-O8-5V83ICGT

近畿大学の学生が主体となり開催された「つながる育フェス」

 

 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202511179225-O7-o9UL1Sxq

「いま地方で子育てするということ」というワークショップを開催し、他地域の子育てに関する情報や市の職員同士の意見交換の場を提供

 

 

このほか、日本各地から有識者や団体を招き、有田市の職員や子育てに関わるプロの方に向け学びと交流の機会を提供。「参加した行政の方からは、さまざまな情報を得られたと、喜んでもらえました。またその場で出た福祉や子育て現場の課題や意見を有田市長に届けるお手伝いもできました。」

 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202511179225-O1-gasnxw03

有田市と積水ハウスにより始まった活動が、次第に多くの仲間を巻き込んで徐々に取組みの輪が広がった

 

 

「積水ハウスはクリニックをはじめ福祉や子ども関連施設といった行政のプロジェクトも多く手がけていますが、これからは、建てたら終わりという時代ではないと感じています。新しいコミュニティを一緒につくるなど、地域の課題に関わりながら、解決のお手伝いをしたい。そしてゆくゆくは地域が自走し、集まってくる仲間たちとその地域らしい新たな価値を作れれば素晴らしいと考えています。自走できる力を育むことが、地方創生の一助になる。」と佐藤。

 

 

ママと産院、ママ同士、そして地域へ。

共創から生まれる新しい価値。

 

産院は、もともと保育園があった場所をリノベーションし建設されましたが、計画当初から地域との丁寧な対話を重ねた結果、強いつながりも生まれています。 「利用者が限定された居場所はなかなかうまくいかない」とも佐藤は言います。開院後は、地域の方を招いて交流したいとの思いを有田市に伝えて、産院の目の前に広大な駐車場を用意いただき、隣接する公民館も合わせて地域とのつながりを育む大きな存在となっています。互いの駐車場を双方の利用者に開放するほか、産院主催のヨガ教室や妊婦バレエ教室などの取り組みが公民館で実施されており連携が次々実現しています。

 

ママ同士のつながりも強く、大きくなっています。

「昨年末には、産院主催で忘年会が開かれました。ママはもちろん、お子さんと家族も含め大集合したそう。そんな産院、なかなかないですよね」と杉本代表。

 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202511179225-O9-ux3aHr4Y

(左)スタッフが企画し、お産したママたちが大勢参加し、大盛況だった忘年会

(右)地域の方々でにぎわった餅投げ行事の様子

 

 

産院スタッフや出産したママの声からも、温かいつながりを感じます。

「ママさんたちは産後もよく外来に来てくれるんです。私たち事務スタッフや助産師さん、看護師さんと親しく話す姿があちこちにあり、アットホームな雰囲気です。」(産院スタッフの声)

「家族で上手く子育てする方法を、産後ケアの際、助産師さんに相談したんです。サポートの仕方を夫に具体的に話してもらい、夫婦で子育てについて話すきっかけをつくってもらいました。」(出産したママの声)

 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202511179225-O3-hWWKxiyN

プロジェクトを振り返る積水ハウス地方創生戦略部メンバー

 

 

ファミール産院ありだのプロジェクトを経て「今回、産院の整備に加え、コミュニティの基盤を作るお手伝いができたことで、地域の皆様へより大きな貢献ができたと実感しています。今後もこういった取り組みを増やし、地域の発展に寄与していきたいと考えています。」と積水ハウスの地方創生戦略部長の友金は言います。

 

子どもたちの健やかな成長や多世代がつながる地域社会の実現に向けて、地域の人々が自然と集い、対話を育むことができる“居場所”づくりが、これからますます重要になっていくのではないでしょうか。

 

 

「ファミール産院ありだ」誕生ストーリー

https://www.sekisuihouse.co.jp/company/stories/20240531/

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