【TRY・シャワーウオーク(上)】流れ逆らい...前へ!前へ!

 
川の流れに逆らい前に進む

 仕事に夢中で気が付けば夏。刺激的な夏を感じたい。そんな記者にぴったりな沢遊び体験「シャワーウオーク」。詳しい説明を聞かないまま大自然に飛び込んだ。(報道部・安達加琳)

 場所は安達太良山の中腹を流れる烏川(からすがわ)。岳温泉観光協会(二本松市)が今夏から、始めた「あだたらアクティビティ」の一つにトライ。ずぶぬれの覚悟は決まっていた。

 温泉宿「mt.inn(マウントイン)」に集合。案内してくれるのは、あだたらアクティビティガイドの加藤正広さん(62)。加藤さんの近くには見たことのない装備品がずらりと並ぶ。

 ウエットスーツをはじめ、底がフェルト素材でできている滑り防止の沢靴、砂利が入るのを防ぐ沢登り用の靴下とロングスパッツ。「きつい...」。初めての装着に全身に力が入る。

 これも全て防寒と安全対策のため。最後に手袋とライフジャケット、ヘルメットを身に着ける。「準備だけで一汗なんですよ」と加藤さん。手助けもあり、ようやく準備完了。既に記者の体力は残り半分に。

 もやがかかった山道を加藤さんの車が走る。約10分で到着した奥岳清流遊歩道の入り口。あいにくの小雨模様だが「川に入ってしまえば関係ないだろう」。1、2分ほど遊歩道を歩くと沢の音が聞こえてきた。

 歩くことでウエットスーツにも慣れ、準備運動はばっちりだ。「じゃあここから足を入れて付いてきてください」。加藤さんの後に続いて水温約15度の川に足を入れる。思っていたよりも冷たくない。

 足の踏み場を探しながら石から石へ。気を抜くと川の流れに足が持っていかれそうだ。うまく川を歩くこつはバランスを崩さないよう足を上げないこと。

 「一歩決めたら次の一歩」と石を探りながら前へ進んでいく。自然と一体化できるぜいたくな体験だ。「だいぶ歩くのに慣れてきたな」と余裕を感じ出したころ。目線を足元から正面に上げる。魚も上流に上れない「魚止滝(うおどめのたき)」が待ち構えていた。

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 シャワーウオーク 全国各地の清流で企画されている川遊び。二本松市の奥岳清流遊歩道では9月末まで実施しており、4歳以上から体験可能(小学生以下は保護者同伴が条件)。ウエットスーツやライフジャケットなども貸し出している。問い合わせはあだたらアクティビティ事務局(電話0243・24・7235)へ。