【ウェブデザイナー(下)】広告バナー、目を引く最後の一手間

 
広告バナーの完成を喜ぶ記者(左)

 ウェブデザイナーのいろはやデザインの基礎を学んだ。さらに「センスは技術」という心強い言葉ももらい、怖いものは何もない。いよいよ今回のメイン「広告バナー制作」に挑戦する。

 「それでは実際に『Adobe XD(アドビエックスディー)』を使ってデザインの流れを体験してみましょう」。ハタフル(郡山市)の現役ウェブデザイナー若色友里恵さん(33)の口から聞き慣れない言葉が飛び出した。

 デザインソフト「Adobe XD」はテキストの作成や図形の配置など、操作がスムーズにできるのが特徴で、デザイン系のパソコン操作が初めての人にも扱いやすいという。

 一連の操作方法を学び、初めてAdobeを使って「本県のご当地グルメを購入できるウェブページの広告バナー」を作っていく。用意された素材は本県を代表するグルメの喜多方ラーメンといかにんじん、馬刺しの3枚の写真。そして「ふくしまの食」というテキストだ。これらを組み合わせて「見てもらえる広告」を目指す。

 まずは枠の中に写真をはめていく。一番大きな枠にはインパクトのあるラーメン、写真が文字に隠れないように...。若色さんから教わった「広告を見る相手に届ける意識」を持って、マウスを動かす。タイトルは目立つよう中心に。さらに「伝統的な雰囲気」に近づくように、家紋型の枠でタイトルを映えさせていく。

 「お、思ったよりさくさくできるぞ」。少しずつ形になってきたところで、誘導文言の登場だ。「詳しくはこちら」の誘導を付けて...できた!―。しかし何か物足りない。インパクトに欠けるというか...。「さらに目立つように、一手間加えましょう」。若色さんのテクニックをお借りし、ラーメンの写真をタイトルの枠の前に出す。するとどうだろう。立体感が生まれ、一気に目を引く広告バナーになり、完成した。

 最後に、同社でウェブデザイナーの養成アカデミーを担当する鈴木茜さん(35)に立ち上げについて尋ねた。「地元の福島にUターンし、地方の職業選択の少なさ、特に女性のライフイベントに合わせた職が多くないと気付きました。ウェブデザイナーは自由な働き方ができ、地方でも活躍できると思いました」という。

 パソコン一つあれば、いつでもどこでも仕事ができるウェブデザイナー。技術の習得だけでなく、働き方改革や女性活躍推進について考えるきっかけにもなった。

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 「ハタフルアカデミー」 ウェブ制作会社「ハタフル」が運営するウェブデザイナー養成教室。パソコンソフトの使い方からウェブデザインの企画、公開まで一連の技術を身に付けることができる。講師は同社の現役クリエーターで、オンラインや対面授業を通じて、実践的な技術も学ぶことができる。同社では10月以降の入学生を募集している。問い合わせは同社(電話0120・620・290)へ。

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