福島県飯舘村は2日、東京電力福島第1原発事故で帰還困難区域となっている長泥地区に整備された堆肥製造施設とその周辺について、今春の避難指示解除に向けて調整していることを明らかにした。3月ごろまでに国、県と協議を進める。
村が避難指示解除を目指すのは、民間企業が長泥地区曲田に整備した堆肥製造施設約2・7ヘクタールと同施設で使われる資源作物を栽培する農地約3・5ヘクタール。施設は1月に完成し、現在は試験運転中。操業開始は避難指示解除後となる見込み。
杉岡誠村長が2日、村内で開いた住民説明会でこれまでの取り組みを説明。杉岡村長は「村民から理解をいただき、村への一任をもらった」と改めて話した。
長泥地区を巡っては、特定復興再生拠点区域(復興拠点)の避難指示が2023年5月に解除された。今回、避難指示解除を目指す地域については村環境回復検討委員会が検証を重ね、放射線量が年間5ミリシーベルトを下回ると確認しており、避難指示解除の目安となる年間20ミリシーベルトを下回っている。