闘志あふれるプレーで勝利を積み重ね、目標に掲げる優勝、昇格を実現することを期待したい。
今季のサッカーJリーグが開幕した。J2のいわきFCはきょう、ホームのハワイアンズスタジアム(いわき市)にジェフユナイテッド千葉、J3の福島ユナイテッドFCはあす、アウェーで奈良クラブとそれぞれ開幕戦を迎える。
いわきの昨季の通算成績は15勝9分け14敗。一時はJ1昇格のプレーオフ圏内を維持しながら、終盤は勝ち星に恵まれず、最終的に9位で終えた。それでもJ2初挑戦だった前年の18位から大きく順位を上げ、個々の選手とチームとしての成長を随所に見せた。
ただ、アウェーの勝率が47%だったのに対し、ホームは32%にとどまった。好機を築いても決定力に欠け、大量4失点を喫した試合が二つあるなど、不用意な失点も多かった。サポーターの力強い後押しがあっただけに残念だった。
昨季活躍した主力の一部が抜けたものの、昨季リーグ2位の18得点を記録したFW谷村海那選手、中盤の要のMF山口大輝選手など、攻撃の中核を担う選手の多くは残留した。若手を中心に11人の新戦力が加わったことで選手層は厚くなり、定位置争いも激しい。
持ち味である球際とフィジカルの強さは健在だけに、ホームでの勝利数を増やすには、組織力を高め、ゴール前でのプレーの精度を上げることが求められる。チームを運営するいわきスポーツクラブが創設10周年を迎える。旗印の「90分間止まらない、倒れないフットボール」を年間を通じて貫き、J1昇格を果たしてほしい。
福島ユナイテッドは昨季、18勝5分け15敗でチーム最高タイの5位となり、J2昇格プレーオフに進出したが、昇格を逃した。
前年の15位から大きく飛躍した原動力は、就任1年目の寺田周平監督による「超攻撃的サッカー」だ。パスの正確性や足元での技術に磨きをかけ、積極的に得点を奪いにいく姿勢が浸透した。チーム得点数はリーグ2位の64点で、前年を27点も上回った。
しかし失点数は49点で、セットプレーからの失点が多かった。今季はリーグ屈指の攻撃力を維持したまま、いかに失点を減らせるかが勝利の鍵を握る。新たに11人が加入し、特に守備陣は強化された。前線から積極的にボールを奪い、相手にセットプレーの機会を与えないことも重要だ。
福島はJ3参入から12年目のシーズンとなる。あと一歩でJ2昇格を逃した悔しさを胸に、悲願の優勝に突き進んでもらいたい。