春は空からそうして土から微(かすか)に動く。(中略)その刺戟(しげき)から蛙(かえる)はまだ蟄居(ちっきょ)の状態に在りながら、稀(まれ)にはそっちでもこっちでもくくくくと鳴き出すことがある―。長塚節の長編小説「土」から引いた ▼自然や風物を克明に描写した物語の中で、長塚は春の兆しをこう表現している。きょうは啓蟄。冬ごもりしていた虫が目覚めて地上にはい出てくる頃とされる。先週末の穏やかな陽気...
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