吉野弘の詩に「みずすまし」がある。「一滴の水銀のような/みずすまし。/やや重く/水の面(おもて)を凹(くぼ)ませて/浮いている/泳いでいる/そして時折/水にもぐる。」。日常という名の水面(みなも)に生きている人間の姿を小さな虫に投影した ▼潜ったみずすましは「生きる力を/さりげなく/水の中から持ち帰る」。吉野の死生観が垣間見える詩を読んで、みずすましは亡き人に会うために潜ったのではないかと解釈し...
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