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【4月10日付社説】子どもの交通安全/危険遠ざけるための工夫を

2025/04/10 08:10

 保護者がしっかりと目配りし、注意を促すことで、子どもを交通事故から守りたい。

 春の全国交通安全運動が「どんなときも わすれちゃだめだよ みぎひだり」をスローガンに、15日まで展開されている。新入学の時期で子どもの事故防止が重点の一つとなっている。

 県内で交通事故に遭った人を年齢別にみると、80歳の46人に次いで、小学校低学年に当たる7歳児が34人と多い。特に春先は新入学などで行動範囲が広くなり、歩行する距離も長くなることなどから、子どもが事故に遭う恐れが高まる時期だ。

 新入生や低学年の児童のいる家庭では、横断歩道の左右確認など交通ルールをしっかりと教えるのに加え、実際に歩く道に合わせた注意点を伝える必要がある。

 歩行中の小学生の事故で発生が最も多いのは下校中で、4割強を占めている。登校時と下校時では進行方向が逆となるため、注意が必要な場所が異なることもある。保護者は通学路を一緒に歩くなどして、危険な場所を往復それぞれ確認してほしい。

 自転車の事故は、高校2、3年生に当たる17歳が全年齢のなかで突出している。転倒して頭を強打すると、命にかかわることがあるが、校則で義務づけていない学校の生徒のヘルメット着用率はまだまだ低いのが現状だ。

 高校に入学して自転車通学を始める人は多い。進学や新たな学年のスタートに合わせ、家庭や学校がヘルメット着用を促し、習慣化させることが重要だ。

 ドライバーには日常的に車を使い始めたり、異動などで慣れない場所で走る機会が増えたりする人もいるだろう。新たな環境に慣れていないのは新入学の子どもたちも同じで、予測できない動きをすることもある。登下校の時間帯の通学路の周辺ではスピードを下げ、子どもの動きに目を配り、いつでも停止できるよう備えることが求められる。

 心配なのは、車が急に歩道に突っ込むなどして、子どもが被害に遭う事故が増えていることだ。車も何らかの理由で予測できない動きをすることがある。ルール通りに歩いていても、事故に遭う恐れはゼロにならない。

 信号待ちなどの際に横断歩道のすぐそばに立たないようにする、歩道でも道路から遠い場所を歩くなどの習慣が身に付いていれば、万が一の際に事故を免れたり、被害を軽減できたりする可能性がある。日頃から事故を遠ざける習慣づけが大切だ。

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