未聴感―。昨年94歳で亡くなった郡山市出身の作曲家、湯浅譲二さんはこの言葉を常に意識していた。「どこかで聴いた既聴感のある音楽ではなく、まだ聴いたことがない音楽」を追求した ▼幼少期に父がドイツから持ち帰ったレコードでオペラを聴き、母からはオルガンやピアノを学んだ。また能楽を稽古し、伝統的な日本の音楽にもなじんでいた。若い頃は、この西洋と日本の世界が無意識に自分の中で共存していたが、作曲家とし...
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