作家の幸田文は晩年、落雷で焼失した奈良県の国宝、法輪寺三重塔の再建に深く関わった。資金集めのほか、現地に移住して現場に通い、木を削るなど宮大工と一緒に作業もした ▼完成間際、棟(とう)梁(りょう)に聞いた言葉を心に刻む。塔は人が技や知恵を尽くして建てるが、長く日を浴び、風雨にさらされて自ら姿を整えると。幸田は時に優しい母、時には暴君となる自然を思い、塔なりの風趣と品格が備わることを願った ▼いわき...
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