旅文化に詳しい民俗学者である神崎宣武さんによれば、人間には食欲などと同じように「旅欲」があるという。旅を欲する心は、社会の安定期に促されると指摘する ▼太平を享受した江戸時代、代表的な旅は伊勢参宮だった。江戸から伊勢の道のりは片道で約15日。往復ついでに京都や大阪への遊山も含めると50日ほどかかるが、一生に一度の非日常の旅は年間で数十万の人の心をひきつけた(「江戸の旅文化」岩波新書) ▼会...
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