南相馬市博物館の企画展「近代の戦争と南相馬」は2日、同博物館で始まった。戊辰戦争から太平洋戦争までの戦争にまつわる日記や手紙、写真など約70点が並び、戦争に翻弄(ほんろう)された社会を紹介している。11月3日まで。
日露戦争従軍者の戦況記録や第1次世界大戦中に肥料の増産を呼びかけた文書のほか、太平洋戦争末期に陸軍原町飛行場が特別攻撃隊(特攻隊)の錬成基地となったことから、特攻隊にまつわる資料も展示。原町で訓練した特攻隊員が体当たり攻撃を前に、交流のあった女性に送った手紙には「明日か明後日総攻撃を行います。返信駄目」と記されている。原町で編成された後、万世基地(鹿児島県)から沖縄に向かい、11人中9人が戦死した国華隊の寄せ書きには「必中轟沈」などと書かれている。
また海軍特攻隊「敷島隊」の一員で原町出身の中野磐雄氏の実家に茨城県の小学生から届いた手紙も紹介。「一生けんめいべんきようしてりっぱな神風ごうにつづく人となります」と書かれており、戦争が子どもたちにも影を落としていたことを示している。入館時間は午前9時~午後4時。原則月曜日休館。入場料は一般400円、高校生200円、小中学生100円。問い合わせは同館(電話0244・23・6421)へ。