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【ふくしま子育て応援隊】「とも家事」家族はチーム、妻が監督 元陸上選手・柏原竜二さん

2025/08/11 13:30

「ありがとうと言うことが大事」「家事はいつやるかも決める」など、とも家事や育児について語った柏原さん

 箱根駅伝の2代目山の神として知られる元陸上選手柏原竜二さん(いわき市出身)は、2人のお子さんの子育て中です。郡山市で6月に行われた、性別にかかわらず協力して家事に取り組む大切さを紹介する「とも家事ふくしまフェスタ」にゲストとして登場し、家事や子育てで心がけていることを紹介しました。

 柏原さんはいわき総合高から東洋大に進み、箱根駅伝で4年連続区間賞を獲得。在籍中に3度のチーム総合優勝に貢献しました。卒業後は富士通で活躍し、引退後は同社所属のまま、社会貢献事業やスポーツ解説などに取り組んでいます。

 ありがとうから始めて夫婦円満

 トークショーでは、自宅で「チーム」として妻と協力しながら家事を実践していることを紹介しました。「洗濯物の畳み方など、僕がやったことを妻がやり直すことも多いんです。僕は『やったのに』と思うし、妻は『できてない』と感じ、お互いにストレスがかかります。そうならないように、妻に『指示してほしい』と伝えています。どうしても僕の方が仕事で家にいない時間が長いので、いわば妻が柏原家の家事の監督です」

 さらに、何かを相手にやってもらうときは「ごめんね」ではなく「ありがとう」と言うようにしているそうです。「洗濯物を干した、畳んだ、掃除した―など、ささいなことをしたときでも『ありがとう』と言うことから始めようと決めています。この方法で家庭は結構円満です」

 いつやるか決め、やりとりが楽に

 大切なのは「家事を『いつやるのか』を決めること」と柏原さん。「この後に洗濯するから一緒にやってね、平日の朝にいろいろお願いするね―など、いつ家事をするのかを妻に指示してもらいます。そうすると、時間のめどが付くので、やりとりが楽になる。先日も僕が夕飯を作ったのですが、妻に『何時にできればいい?』と聞きました。すると『8時ぐらいに子どもをお風呂に入れたい』とのことだったので、そこから逆算して、4時から準備した方がいいかな、5時かな、などと考えてスケジュールを立てることができました」

 福島県が推進している「とも家事」の取り組みについては「今は慣れる時間で、10、20年後にはこれが普通になっていると思う。今は、家庭でとも家事がストレスになっている時期かもしれませんが、夫婦で家事以外に一緒に楽しめるものをつくっていくと、家庭が穏やかになっていくのではないでしょうか」と助言しました。

 誰かだけ家事をするのは負担が大きい。不協和音が広がっていきます

 トークショーの後に、柏原さんに「とも家事」「チーム家事」の心得などを聞きました。

 ―チームで家事をする利点を教えてください。
 「同じ家にいる誰かだけが家事をするというのは負担が大きい。協力しないと不協和音が広がっていきます。妻が寝かしつけをしているときに、僕が洗濯したり、洗い物をしたり、ほんのちょっとのことなんですが、やると喜んでくれる。そうなると、その後にお互いのゆとりの時間も取れます。夫婦でテレビを見ながら話し合うなどもできますしね」

 ―家族になって最初からそういうスタイルだったのですか?
 「最初は、とてもぎくしゃくしていました。僕はやったつもりでも、妻にすれば『もっとやってほしい』という部分があった。全部家事が終わったと思って夜10時からゲームをしたら、妻が『ちょっと!』って。なので、妻が何をしてほしいのかを聞くようにしています」

 ―柏原さんが得意な家事は?
 「食事作りは楽しくやっています。夢中になるとずっとやれるタイプなので。掃除もそうですね。洗濯物を畳むときは、最初に例を見せてもらいます。バスタオルは三つ折り、ハンドタオルは四つ折りとか、妻のこだわりがある。だいたいの男性は、タオルは全部同じように折りがち。でも収納しやすい畳み方があるんですよね。なので『最初に例を示して』と言います」

 ―子育て開始とともに趣味のアニメや漫画、ゲームなどの時間が少なくなり、ゲームは夜10時から2時間と決めているそうですね。
 「そうです。以前マネジャーをしていた富士通アメフト部で仲良くなった人たちと、オンラインゲームをしています。みんな男性で、子育ての先輩も多い。だから集まれる時間がだいたい、寝かしつけや家事が終わったこの時間なんです。ゲームをしながら、子どもの近況や夏休みの計画などを話すことも多い。おやじコミュニティーですね。一番のストレス解放時間です。ただ日中は絶対にゲームはやらない。子どもといるときは子どもと一緒に過ごしています」

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