富岡町上手岡地区の麓山(はやま)神社に受け継がれる県指定重要無形民俗文化財「麓山の火祭り」が15日、同神社で開かれた。若衆ら約30人が燃え盛るたいまつを担ぎ山道を駆け、地域の安寧や五穀豊穣(ほうじょう)を願った。
麓山神社氏子総代会やはやま青年会、麓山神社伝統芸能保存会が開催している。上半身裸にさらし姿の担ぎ手たちがたいまつを肩に持ち、「千灯(せんどう)、千灯」のかけ声とともに、麓山の頂上まで駆け上がった。頂上の奥の院で祈願成就の万歳をした後、駆け下り社殿を右回りに巡り、再び万歳をして締めくくった。ご神体のサカキを持って先導した同町出身でいわき市在住の芳賀満稔(みつとし)さん(42)は「できる限り参加を続け、伝統をつないでいきたい」と語った。