福島医大は18日、研究成果を県民に分かりやすく伝える「論文の見える化」プロジェクトを始めた。一般には難しい論文の内容を短い動画で発信し、最先端の治療法などに興味を持ってもらう。第1弾は「糖尿病の人工知能(AI)診断モデル」で、医大のユーチューブ公式チャンネルで公開している。
医大では多くの研究者が年間1000本近く論文を発表している一方、専門性の高い言葉が並び、その価値や社会的意義が十分に伝わりにくい課題があった。このため医学部教授らでつくる「グランドデザイン検討部会」が論文の内容を10分以内の動画にまとめた。
第1弾の動画では、糖尿病が、合併症リスクの異なる五つの群に分類される考え方を解説。日常的な検査項目だけで、誰でも簡単に判定できるAIモデルを開発したと紹介している。
医学部糖尿病・内分泌代謝内科学講座の島袋充生主任教授と多施設共同研究チームが国際誌ディアベトロジアに発表した。検討部会のメンバーでもある島袋氏は「一人一人に最適な治療法を選択できる『個別化医療』の実現に近づく可能性を伝えている」としている。