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「医聖」の幼少時代に思いはせ 野口英世アフリカ賞受賞者ら福島県訪問

2025/08/25 09:30

野口英世ゆかりの品々を見学するジムデ博士(左)とピサロ代表=24日午後、猪苗代町・野口英世記念館

 第5回野口英世アフリカ賞の受賞者らが24日、福島県猪苗代町の野口英世記念館など本県を訪れ、賞の由来となった野口英世ゆかりの地をたどるとともに本県の高校生らと交流した。

 マラリアの治療に貢献したマリのアブドゥライ・ジムデ博士と、熱帯病の「アフリカ睡眠病」の治療薬開発などに取り組んだ非営利組織「顧みられない病気の新薬開発イニシアチブ(DNDi)」(本部スイス)のルイス・ピサロ代表らメンバーが来県した。

 一行は「福島プログラム」として同記念館を訪問し、町民らが小旗を振るなどして歓迎。館内や生家を見学して「医聖」の幼少時代に思いをはせた。会津若松市の野口英世青春館も視察し、野口を育てた会津の歴史や文化に触れた。同市で開かれた高校生との意見交換会では、探究心を持ち続けることの大切さを伝えた。

 高校生との意見交換後に取材に応じたジムデ博士は「野口博士がどのような忍耐で人生を歩んできたかを学ぶことができた」とし「県民の皆さんが東日本大震災からここまで復興できたのは、野口博士のような人格を持っている方が多いからと感じた」と話した。ピサロ代表はもてなしに感謝し「福島の豊かな魅力を広く伝えたい」と話した。

 野口英世アフリカ賞は2006年、当時の小泉純一郎首相がアフリカを訪問したことを契機に政府が創設した。アフリカでの感染症対策や公衆衛生推進に対する顕著な功績に贈っている。日本とアフリカで3年に1度、交互開催されるアフリカ開発会議(TICAD)の際に授与される。

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