海外の福島県人会でつくるワールド県人会の新会長に、香港華南地区県人会副会長の荻生(おぎゅう)謙樹氏(70)の就任が決まった。就任は26日付。各県人会による会長選の結果、荻生氏が選出された。
ワールド県人会は、会長を務めた英国県人会「ロンドンしゃくなげ会」前会長の満山喜郎氏(白河市大信出身)が3月に亡くなったことを受け、後任の人選を進めてきた。
荻生氏は郡山市出身。安積高、大東文化大文学部卒。香港の東洋証券亜州有限公司社長などを歴任した。2012年、香港華南地区県人会会長に就き、20年から副会長。リトルリーグ・インターナショナルアジア太平洋地区審判長も務めた。
―就任の抱負を。「各県人会にはさまざまなバックグラウンドがある。まずは各県人会が協調できる関係を構築し、福島の復興や振興に協力したい。また県に頼り過ぎず、各県人会がそれぞれ情報を発信できるようになることで、各国に福島のファンを増やしていきたい」
―前会長の死去で会長は空席が続いてきた。
「新たな会長を決めるルールがなく、時間がかかってしまった。今後は緩やかな規定も作っていきたい。地域ごとにオンラインで定期的に意見交換できるような機会も設けたい。(ワールド県人会の)ネットワークの継続性を担保することが私の使命だと思っている」
―東日本大震災から15年目を迎えた。本県をどう見ているか。
「香港では震災や東京電力福島第1原発事故への関心は低くなっている。一方でディスインフォメーション(虚偽の情報)などもあり、そうした情報に対して前向きな情報発信を続けたい。われわれのネットワークを使ってさまざまな取り組みを進めながら、県人会活動もより魅力的なものにしていきたい」