いわき市の2023年の製造品出荷額等が1兆798億5422万円に上り、2年連続で1兆円を超えたことが29日、経済産業省の「経済構造実態調査」で分かった。前年と比べて410億4207万円増加し、市は「地元企業の生産性向上や販路拡大などの積み重ねの成果が表れている」と分析する。東北では仙台市の1兆1240億1490万円に次ぐ規模だった。
08年以降の推移は【グラフ】の通り。20年までと21年以降は集計対象が異なり、単純比較はできないが、同市は8千億~9千億円で推移してきた。20年は東北一になり、22年は08年以来14年ぶりに1兆円台を回復した。
1兆798億5422万円の内訳は、化学工業が2624億1458万円(24.3%)と最も多く、次いで情報通信機械器具製造業が1668億5249万円(15.5%)、パルプ・紙・紙加工品製造業が1034億209万円(9.6%)などだった。
製造品出荷額等は製造品出荷額と加工賃収入額、修理料収入額などの合計。このうち製造品出荷額は事業所が所有する原材料で製造されたものを指している。「企業の稼ぐ力」を示す指標とされており、地域全体の経済活動の活性度を表している。このほか県内の中核市では、郡山市が7082億5492万円、福島市は4758億4258万円だった。