地方分散型のデータセンター事業を手がける「JAIC(ジャイク)データダイナミクス」(東京都)は、双葉町に生成人工知能(AI)データセンターを整備する。具体的な立地場所は非公開。今後、用地取得を進め、来年12月の運用開始を目指している。
最大100台規模のGPU(画像処理装置)サーバーを配置できる施設設計とする方針。米半導体大手エヌビディアの高性能GPUサーバー32台を備え、生成AIの開発企業などの大規模データ処理に対応する。データセンター内のスペースを企業に貸し出し、企業のサーバーなどの設置や運用サービスも展開する。
総事業費は30億円規模となる見込み。経済産業省の自立・帰還支援雇用創出企業立地補助金を活用する。
ジャイクデータダイナミクスは双葉町への立地を通して、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興に向けた新たな雇用創出と地域経済の活性化にもつなげる考えだ。
同社はデジタルダイナミック(東京都)と日本アジア投資(東京都、ジャイク)の合弁会社として2月に設立された。首都圏に集中しているデータセンターを地方に整備することで、通信の遅れや大規模災害時に通信が途絶するリスクを低減させ、国内の通信網などのデジタルインフラ強化を目指すという。