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弾劾裁判で罷免の元裁判官が出版 制度の歴史や解説も盛り込む

2025/10/08 15:03

 交流サイト(SNS)への投稿などを理由に、弾劾裁判で罷免された元裁判官の岡口基一さん(59)が、著書「裁判官はなぜ葬られたか 絶望の弾劾裁判」(講談社)を出版する。自身が罷免されるまでの経緯を詳細につづり、弾劾制度の歴史や解説も盛り込んだ。「制度は問題を多く抱えているがほとんど知られていない。弾劾裁判の在り方を考えてもらうきっかけになれば」と話す。

 東京高裁や仙台高裁の判事だった岡口さんは在職中にSNSで殺人事件の遺族を中傷したなどとして、2021年6月に国会議員で構成する弾劾裁判所に訴追された。過去の弾劾裁判は刑事事件や職務違反が問われたものだったが、表現行為を理由に辞めさせることの是非が争われた初めてのケースだった。昨年4月に罷免判決が出たものの、法律家の間では賛否が分かれている。

 岡口さんは「ご遺族には申し訳ないことをした」と改めて謝罪した上で「訴追前から多くのマスコミは裁判所当局の情報をうのみにして報道し、私を訴追しても問題ない、という空気をつくり上げた」と振り返る。

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