津波被災地と原発事故の避難区域を抱える浜通りの復興を周辺地域から後押ししようと、県は浜通りと中通りをつなぐ主要8路線を「ふくしま復興再生道路」とし、10年後の開通をめどに整備に力を入れている。
指定されたのは、いわき市に新たに通す小名浜道路(仮称)をはじめ、県管理の国道349号や国道399号、県道小野富岡線、県道吉間田滝根線など。
浜通りの交通網の寸断で各路線は迂回(うかい)路となり、交通量が軒並み増加した。県は道路の改良で住民帰還や被災地の産業再構築にも成果が上がるよう戦略的にトンネル化やバイパス整備に取り組んでいる。
震災前と比べて交通量が約1.5倍に増えた県道原町川俣線は川俣町の水境工区でバイパスが完成。2月の記録的な大雪で通行止めになった八木沢峠(飯舘村−南相馬市)では、今月25日にトンネル工事に着手する。
川俣町の国道114号は5工区のうち小綱木1工区でトンネル化を含む整備が完了。国道288号は三春西バイパス(郡山市−三春町)が全線開通したほか、田村市では船引バイパスの整備が進められている。