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【草野心平の詩(中)】平伏沼「月夜」 水辺に実る『奇妙な果実』

2020/07/27 14:40

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森の中にぽっかり現れた平伏沼。木の枝にぶら下がった丸い物体がモリアオガエルの卵塊

 森を甘く見ていた。平伏(へぶす)沼は、県道から林道へそれ10キロ弱先の山奥にあった。車で進めど進めど森の中である。日暮れが近い。焦り始めた頃ようやく着いた。  草野心平が川内村の南西部にある平伏沼を初めて訪れたのは1953(昭和28)年9月2日。  そもそも心平が川内村を初めて訪れた目的は、平伏沼探訪だった。きっかけは、49年2月1日付読売新聞に掲載された心平の随筆「背戸峨廊」。その中で心平は「カ...

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