高レベル放射性廃棄物は、数万年以上の長期保存が必要なため、地下深い場所での「地層処分」が現実的だと考えられています。わが国では地層処分する場所は決まっていません。
北欧のフィンランドでは、首都のヘルシンキから西に220キロにある、オルキルオトという場所が最終処分地となることが世界で最初に決まりました。2016年から処分場の建設が開始されています。
その運営はポシバ社という会社が行っていますが、つい先月、その最終処分場で実際の最終処分作業に先立つ、安全性確認のための試験操業が開始されました。
この試験では、実際の使用済み燃料は使用されませんが、これから数カ月間にわたって、さまざまな機器を同時に動かすテストが行われます。使用済み燃料は、最終処分の前に約40年間冷却され、その後、最終処分場で特別の容器に封入されてから、地下深くに埋められます。
今回のテストでは、430メートル地下のテスト用の坑道の中に掘られた穴に、実物大の密閉容器を埋めます。その後、坑道自体を丸ごと粘土で埋めて、コンクリートで栓をすることが行われます。また、密閉容器が破損することも想定して、地上に容器を戻す作業も行われるとのことです。