マージャンの牌はさまざまな絵柄や数字があり、複雑だ。初心者に教えるときは大抵こんな感じになりがち。「一二三」など三つ続く数字、あるいは同じ絵柄を三つそろえれば何とかなる―。うまくいくと「三色同順」などの役ができる
▼92歳の評論家、樋口恵子さんは、高齢期を豊かに自分らしく過ごすためには「三つのショク」が大切と説く。一つ目は「食」。10年ほど前に精神的に落ち込んだとき、食生活がおろそかになって栄養失調で入院、「食べることは生きること」を痛感した
▼二つ目は「職」。仕事をして収入を得るだけではなく、ボランティアや地域の活動でもいい。微力でも誰かの役に立ちたいという志で、自分自身も楽しみながら社会とつながり続けることを勧める
▼三つ目の「触」は人との触れ合いや人間関係を指す。職場の仲間は退職すれば疎遠になり、子どもは独立すれば家から巣立つ。居場所となるコミュニティーが地域にあれば孤立を防げる
▼きょうは敬老の日。健康長寿への関心の高まりとともに、世の中にあふれかえる情報で疲れていないだろうか。そのときは分かりやすく、食・職・触の3ショクで決まり。これを心がければ、きっと日々が充実する。