• X
  • facebook
  • line

【10月2日付編集日記】地方の視点

10/02 08:00

 円安を追い風に訪日外国人客が過去最多ペースで伸びている。歓迎すべきことではあるものの、約7割が三大都市圏に偏り、地方への波及はまだまだ。コメの需給逼迫(ひっぱく)や値上がりの一要因にもなっていると聞くと、喜んでばかりもいられない

 ▼外国人頼みというわけにもいかず、地方の足腰を強くしなければならないのは言うまでもない。ところが、全国の知事、首長に対する調査では、この10年間の地方創生について自治体の7割弱が、取り組みの成果が不十分と受け止めている

 ▼石破内閣が発足した。船出したばかりで、あれこれと口を挟むのは早い気もするが、閣僚の顔ぶれに、恩賞人事だとか、党重鎮に忖度(そんたく)した人事―といった冷ややかな声も上がる

 ▼地方創生は10年前、安倍政権が本腰を入れ取り組み始めた。自治体ごとに戦略をまとめて子育て環境の整備などを進め、国が支援してきた。初代担当相を務めたのが石破首相。地方への視点は、しっかりお持ちだろう

 ▼地方の落ち込みが続けば、国の将来が見通せなくなる。じっくり国会論戦を聞きたいところだが、首相就任から最速日程で衆院が解散となる。早くも選挙モードの中で、地方の再生に向けた議論は尽くしてほしい。

この記事をSNSで伝える:

  • X
  • facebook
  • line