私の花の作品には背景がない。背景をそれぞれの思い出で埋めてもらいたいからだ。 花は私たちの想像力をかき立てる細い導火線のような存在だ。作品中の花は見る人の記憶の中にある花へとリンクし、誰かと笑い合った場面や悲しみにくれたことなど、忘れかけていた懐かしさを呼び起こしてくれる。 そして、花びら一枚の中にも複雑な色のグラデーションが存在することに気付き、葉そのものが持つ形や、張り巡らされた葉脈の力強さ...
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