【６】母の「遺言」、進む覚悟に　NTS社長・生田目將弘

　ものづくりの楽しさを知ると、避けては通れない課題に直面していた。それはいかにして社業を軌道に乗せ、成長させるかだった。　当時の生田目製作所は、バイク事故で亡くなった兄信二の保険金で買った機械をメインに設備投資をしていたが、請け負える仕事に限りがあった。受注の幅を広げようと新たな機械も導入したが借金は膨らむばかりで、高利貸にも手を出した。返済が滞ると借金取りから返済を迫る電話で脅され、土足で自宅に...