私は中学生の夏休み、鼻の手術をした。エレベーターのないクリニックだった。1階の手術室での処置が終わった後、2人の若い看護師が、私を優しく抱き上げ、階段を上って2階の病室まで運んでくれた。手術をしたばかりで、本当はつらいはずなのに、抱き上げられた私は居心地の良さを感じていた。その感覚は、味わったことのないものだった。当時、どんな言葉をかけられたのか、もう記憶にない。それでも、あの不思議な心地よさは...
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