手作りパンを移動販売「GOCHIPAN」営業開始　東京から富岡に移住

　東京都から富岡町に移住した鈴木燦玉（ちやの）さんは今月から、移動販売のパン店「ＧＯＣＨＩＰＡＮ（ゴチパン）」の営業を始めた。手作りパンを移動販売車に載せ、町内の事業所や役所などを巡りながら「富岡町を盛り上げたい」と意気込む。

　大阪府出身の鈴木さんはパン店経営を志し、都内のパン店４店舗で修業を積んだ。念願の独立は二本松市出身の夫の故郷である本県を選んだ。震災・原発事故からの復興に寄与しようと考えたからだ。移住先を富岡町に定め、町内の空き家を工房に改装するなど開店準備を進めてきた。

　パン店は町内になく双葉郡内でも少ない。だが店舗は構えずに移動販売の営業形態にした。夫と一緒にパンを製造・販売する営業は現時点で毎週月曜日と木曜日。休日はイベントに出店する方針。「訪問先の好みに合わせたパンを作るなど柔軟な対応をしていきたい」

　訪問先で歓迎を受けた。鈴木さんは「多くの町民から喜ばれ、もっとおいしいパンを作らなくてはいけない」と気を引き締め「これから訪問先を増やし、地域から求められるパン屋として根付いていきたい」と語気を強めた。