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家計の食費割合「エンゲル係数」、福島市も最高値更新

2025/09/02 09:00

 家計の支出に占める食費の割合「エンゲル係数」が、歴史的な高水準に達していることが1日、共同通信の分析で判明した。総務省が公表する「家計調査」のデータを使い、道府県庁所在地と東京都区部の全国47都市の過去40年にわたる係数を5年ごとに平均化すると、直近の2020~24年に福島市など37都市で最高値を更新した。47都市でトップは大阪市で31.2%。最も低かったのは水戸市の24.9%だった。全国平均は27.5%。食品の値上げラッシュが生活の重荷になっている現状が浮き彫りになった。

 福島市も更新26.7% 月7.8万円

 福島市の2020~24年のエンゲル係数も最高を更新し、全国で25番目の26.7%だった。平均29万3613円の消費支出のうち、食料が7万8410円を占めた。新型コロナウイルス禍の20年ごろから高止まりが続いている。

 食品別の支出で20~24年と1985~89年を比較すると、乳製品が843円から2115円、調理食品が4509円から1万2124円に増えた。飲料も2725円から5724円と上昇が目立った。食料への支出を単年で見ると、2024年に初めて8万円を突破した。

 一方、コロナ禍の20年ごろから落ち込む外食は9114円で、全国平均を2000円ほど下回った。

 食料以外では、下着や帽子、手袋、靴といった被服・履きものへの支出は19年に1万円を下回り、20~24年は7974円だった。

 鉄道やバス運賃、ガソリン代、携帯電話通信料などで構成する交通・通信支出は15~19年の4万4871円から伸び、5万円を上回った。

      ◇

 共同通信 分析方法 総務省の「家計調査」について、用途分類を対象に分析。用途分類は総務省がエンゲル係数の算出時に参照する分類で、この定義に準拠した。政府統計の公式サイトから、全国平均と全都道府県47都市について、記録の残る1985年以降の40年間のデータを取得した。2人以上の世帯を集計、99年以前は農林漁家世帯を除く。5年間のエンゲル係数は、消費支出全体と食費それぞれの60カ月平均値を算出、その上で全体に占める食費の割合を計算した。

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