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復興願い八重桜「はるか」植樹 大熊で大東文化大学生 被災地研修10周年を記念

2025/09/03 09:35

大熊町内に桜を植樹した大東文化大の学生ら
講話する渡部氏

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興の現状を学ぼうと、大東文化大の学生らが1~3日、双葉郡内で被災地研修を行っている。研修実施10周年を記念して、2日は大熊町内に本県復興のシンボルとして親しまれている八重桜の新品種「はるか」を11本植樹した。

 浜通りの現状を学び、本県への正しい理解促進と情報発信につなげようと2015年から始まった。同大と福島民友新聞社が20年に包括連携協定を締結し、以降は共同で実施している。今回は法学部を中心に2~4年の学生23人と武田知己政治学科教授(伊達市出身)が参加した。

 植樹は大川原地区と国道6号を結ぶ今年開通した町道沿いで実施。東京都出身で社会経済学科2年の浜本祥光さん(20)は「復興途上の状況を実感した。みんなで植えた桜が人と町をつなぐ存在になってほしい」と願った。武田教授は「これまでの参加者の思いも込めた植樹になった」と語った。

森林づくり事業紹介

 このほか森林事業に取り組む一般社団法人FDS(会津美里町)代表理事の渡部一也氏が講演。地域資源を活用した産業創出や地域課題解決に向けた森林づくりを紹介した。郡山市出身で政治学科2年の穂積玄一朗さん(19)は「環境やビジネスの視点が参考になった。福島を良くしたいとの熱意を感じた」と話した。

 一行は1日、福島第1原発を訪れ、廃炉の現場を感じ取った。2日は富岡町のとみおかアーカイブ・ミュージアムも見学した。3日は中間貯蔵施設や大熊町の帰還困難区域を視察する。

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