18歳以下の子どもに1人当たり10キロの地場産米を贈る西郷村の独自の取り組みが注目されている。元々は子育て世帯の負担軽減とコメの地産地消を目的に2年前に始まったが、昨年からコメの価格が高止まりする中、新米の現物支給に「家計が助かる」と村民から歓迎の声が上がっている。
村は白河市に隣接し、東北新幹線や東北道が走る交通の利便性の良さから、子どもの数(14歳以下人口)の割合が今年4月1日時点で県内3位に入っている。
コメが無償で支給されるのは村内で0~18歳の子どもを育てている世帯で、1人当たり10キロ分の引換券が配られる。対象の世帯は11月以降、村内で生産された主要銘柄の「コシヒカリ」「ひとめぼれ」の新米と交換できるという。
村によると、昨年度は対象者3523人のうち、約93%に当たる3259人がコメを受け取り、物価高で苦しむ家計を支援する効果もあった。村内で中学3年生の息子を育てる会社員の女性(53)は主食用米を購入しており「子どもが食べ盛りで、村のおいしいコメをいただけるのはとてもありがたい」と感謝した。
村は4日開会の9月議会で、本年産米を贈るために関連予算525万円を盛り込んだ本年度一般会計補正予算案を提出した。高橋広志村長は「コメの価格が高いからこそ、この事業を続けていきたい」と述べた。