福島高は22日、同校で「医学コース」の開講式を行い、福島医大の坪倉正治主任教授が医師の仕事のやりがいや責任について講演した。
坪倉氏は「命を守るために―医師として災害に向き合う」と題して講演。医師の仕事は「何かに対して責任を持つこと」だと強調。新型コロナウイルスワクチンの接種判断や東日本大震災時の放射線リスクに関する説明会の例を挙げながら、目の前の患者や地域住民の健康を守ることこそが、医師の責任だと説明した。
その上で「医師はプロフェッショナルと呼ばれる仕事であり、『ありがとう』と言われる仕事はそう多くない。それが原動力になっている」と語り、医師のやりがいを伝えた。医師以外の多様な働き方にも言及。研究者として活躍するほか、パブリックヘルスや国際機関など幅広い分野があることを紹介し「3年間かけてじっくりと自分の特性を理解し、視野を広げて考えてほしい」と呼びかけた。
医学部を志望する1年生が聴講。熱心に耳を傾け「高校1年生の時、医師についてどう考えていたか」など積極的に質問していた。