トポス―ギリシャ語で「場所」を意味する語である。アリストテレス以降、文芸用語としても使われるようになり、現代の小説を論じる際は専ら、ある作家が物語の舞台として取り上げる特別な土地という意味で使われることが多い。大江健三郎のトポスは「四国の森」、中上健次は紀州・熊野の「路地」、という具合だ。この二人の共通の師がウィリアム・フォークナーで、この人はヨクナパトーファという架空の土地を舞台に、大量の小説...
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