１３日夜、福島市の飯坂温泉にある立体駐車場にクマ１頭が入り込み、日帰り温泉が営業を停止、利用客約５０人が一時足止めされた。
１３日午後６時１０分ごろ、福島市飯坂町の飯坂ホテルジュラクの立体駐車場で、クマ１頭が中に入るのを従業員が目撃、１１０番通報した。福島北署や福島市が立体駐車場を封鎖し、クマは４時間ほど居座った。クマはその後、近接するグループホームの屋上に落下し、動けない状態となっている。施設は施錠などの安全対策を取った。
ホテル関係者によると、隣接する日帰り温泉「いいざか花ももの湯」は営業を停止し、利用者に館内待機を呼びかけた。日帰り温泉の利用客は約５０人おり、立体駐車場に車を止めていた利用客はホテルの休憩室で待機を余儀なくされた。
立体駐車場は屋上を含め地上５階、地下１階。ホテルと日帰り温泉の利用客、従業員が利用している。クマは体長１メートル前後とみられる。当初、２階にいたが、１階に降りた後、上の階に移り外に出たという。
利用客は順次、ホテルの車でマイカーの前まで送ってもらい、マイカーに乗り込んで帰宅した。日帰り温泉を訪れた市内の男性（２６）は「急に館内放送が流れて驚いた。（クマが）ここまで来るのではないかと焦った」と話した。最初にクマを目撃した従業員の女性（５４）は、立体駐車場の向かい側で利用客の車を誘導するなどしており「最初は大型犬かと思った」と語った。「背を向けたら襲われる」。女性が顔を背けずに後ずさりすると、クマは立体駐車場に入ったという。女性は「実際に遭遇すると、襲われる恐怖を感じた」と振り返った。
現場は飯坂温泉街の中心部で宿泊施設や飲食店、住宅が密集している。近くの店の男性は「この辺りにクマが出たのは初めて」と驚きを隠せない様子だった。
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