東日本大震災からの復興と犠牲者の鎮魂を祈り、昨年9月に双葉町で初めて行われた「双葉花火」の継続的な開催に向け、町民主体の実行委が16日、設立された。2回目の双葉花火を大型連休前の来年4月下旬に行う予定で、1万発の花火を打ち上げる。約5000人の来場を見込み、町民が集まって古里に思いをはせるとともに、震災の教訓を未来へとつなぐ機会とする考えだ。
昨年の双葉花火は、県内の花火事業者でつくる福島煙火協会が主催し、町内の東日本大震災・原子力災害伝承館周辺を会場に開かれた。事務局によると、避難先から町民が駆けつけ、県内外から4000人を超える来場があった。100社以上の企業・団体による協賛もあり、予想を上回る反響があったという。
2回目の開催を望む声も多く、継続的な事業として運営基盤を強化するため、住民を主体に福島煙火協会などの民間と連携した実行委を新設した。来年3月には伝承館に隣接する県復興祈念公園(双葉町、浪江町)が完成することを踏まえ、今後は県や町などの行政にも協力を仰ぎ、連携して取り組みたい意向だ。
実行委は「双葉に人が集まる機会をつくり、町の魅力と復興の現状を発信する場にしたい。一丸となって花火大会をつくり上げていきたい」としている。