双葉町教委は21日、2028年4月に町内に開校予定の新学校の基本設計を公開した。日常的に地域住民が施設の一部を利用することを想定し、校舎の中央に「中庭」を設けて異なる年齢の子どもたちや住民が交流し、学習できる場を整備。教室空間には可動間仕切りを設け、授業内容や習熟度に合わせて自由に学習環境を変えられるようにする。26年10月の着工、28年1月の完成を目指す。
校舎は鉄骨造2階建てで延べ床面積は約8439平方メートル。中庭のほかに地域住民らが利用できる「学校地域共創エリア」を校舎内に設けているのが特徴で、図書ひろばなどを開放する方針。不審者の侵入を防ぐため、出入り口には管理事務室や職員室を隣接させ、視覚的に確認できる設計とした。防犯カメラなども設置し、子どもの安全を確保するという。
また学習環境では、フレキシブルスポット(FP)と題した部屋を3カ所設置。授業時間で区切ることなく実験や子どもの関心に応じた学習ができる空間とする。
太陽光発電設備と蓄電池、非常用発電機を備え、災害時には避難場所としても活用する。最大500人を収容し、学校敷地内には防災備蓄倉庫も整備する。
新学校は認定こども園と義務教育学校、学童保育が一体となった施設で、工事概算費は約130億円。国の福島再生加速化交付金を活用する方針。大熊町の教育施設「学び舎(や)ゆめの森」も設計したアーキシップスタジオ(横浜市)と鈴木弘人設計事務所(仙台市)の共同企業体が基本設計を手がけた。
